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突然の水漏れ・・!中古マンションの水回りの問題点を“徹底リフォーム”で解決!

リフォームのきっかけはさまざまですが、暮らしの中で、大きな「困りごと」ができて、リフォームに踏み切るケースもあるようです。今回ご紹介する事例は、繰り返し起きる「カビの発生」と「水漏れ」を解消するために行ったケースです。表面的な部分や、素人目ではわからないことが明らかになり、快適なマンションライフを手に入れたお宅にお邪魔しました。

※本記事は、2016年にマンション・ラボに掲載したものを、一部編集して再掲載するものです。


【取材者・住環境紹介】
東京都文京区
築年:1989年
購入年月:2007年6月
居住年数:9年
広さ:141平米
間取り:3LDK
階数:4階建ての2階
家族構成:夫婦、長女(16歳)、長男(14歳)
リフォーム期間:2016年7月〜10月

思いもしなかった住まいの問題が発生

住環境・部屋数・セキュリティなど、条件にぴったりだったことから、この中古マンションを選んだ鈴木さん。前居住者が、リフォーム後未使用で転居したため、室内がとてもきれいなこと、ヒノキ風呂とサウナが設置されていたことが、気に入ったポイントのひとつでした。
しかし、住み始めて4年後に、問題が発生してきました。

①    繰り返し発生するカビ

まず、洗面所の天井と壁に黒カビが発生しました。換気不足が原因かと思いカビをしっかり取り除いた後に、換気扇を回し窓の解放などして換気をしていました。
しかし、程なくしてカビはまた発生し、何度取り除いても同じことの繰り返しでした。

脱衣室の天井・壁の広範囲に発生した黒カビ。
換気口は常に大きな音を立てて回っていましたが、実はこれにも問題が……。

そうするうちに、浴室の隣にある娘さんの部屋のクローゼットにまでカビが発生。これは換気のせいだけではなく、「構造上に何か問題があるのではないか?」と不安を抱き始めました。

②    原因不明の水漏れ

鈴木さん宅の階下は駐車場で、その天井から水漏れが発生。鈴木さん宅からのものではないかと、マンション管理会社による調査が行われることになりました。すると、鈴木さん宅の床下で、水浸しになっている箇所を発見。浴室からの水漏れが疑われましたが、点検口からでは修理の必要な箇所を特定できず、確認できる範囲で水気を拭き取るにとどまりました。
ヒノキ風呂は水濡れに強いとはいえ、劣化は免れず、約10年が使用の限界だそうです。9年が経過した鈴木さん宅のお風呂は、木が浸食することで壁と浴槽との間に隙間ができ、そこから水が漏れていると考えられました。この時点で、鈴木さんは、浴室内で隙間ができている箇所に、水をかけないように留意することしかできなかったため、再び駐車場への水漏れが始まってしまったのです。

ヒノキの浴槽は快適ですが、徹底して乾燥させることや細やかな手入れが必要。
湿度がこもりがちの場で維持するのは困難のようです。

③    開けてびっくり! 住まいの裏側が大変なことに

問題が出るたびに処置を施しても、何度も繰り返してしまうカビの発生と水漏れ。鈴木さんは、原因不明のまま住み続けることへの不安を感じました。
住み始めて9年、家族の健康を第一に考え、問題を解明するために、“徹底リフォーム”に踏み切りました。
そして、リフォーム施工会社による解体作業が始まり、隠ぺい部分を開けて見えてきたのは……
3つの問題点でした。

・うまく排水できない細い排水管
・ヒノキの浴槽の下に設置すべき防水槽の不備
・ほとんど機能していない24時間換気システム

浴室の内装を剥がした箇所。カビの発生と水漏れの原因が明らかになりました。

問題を引き起こしていた原因に鈴木さんもビックリしました。しかし、原因が明らかになったことで、「常に心配している状況からやっと解放される」と安堵したそう。そして、耐久年数を超えたヒノキの浴槽を取り外し、排水配管を適切に接合し、防水性に優れたユニットバスを設置しました。

④   さらなる湿気対策のため、選んだ快適建材

いざ工事が始まると、水漏れの原因がわかっただけでなく、換気システムにも不具合も判明し、カビの発生原因が明確になりました。そのため、リフォーム工事では、換気システムを変えただけでなく、洗面所の湿気対策をしっかり行いました。
洗面所の壁は、「調湿効果」のある“珪藻土クロス”を使用。塗り壁よりも安価で、壁紙なので汚れた箇所のみの取り替えも可能です。また、浴室と隣り合わせの部屋にあるクローゼットと納戸(以前はサウナ室)は、内壁に調湿・脱臭効果の高い壁材を使用し、湿気と臭いがこもりがちな狭い空間にも、万全の対策を施しました。

脱衣室にタオルウォーマーを設置。
タオルを素早く乾かすだけでなく除湿と暖房効果も得られます。

家族の心地よさを追求したインテリア

何年にも渡り水漏れやカビに神経を使い、不自由な思いをしていた鈴木さん。リフォームに踏み切ってから、「住まいに身体を合わせて生活していた」と気づいたそうです。「困りごとを解決する」ことからスタートした大規模なリフォームでしたが、それだけに、家族それぞれの「心地よさ」をとことん追求しました。

①   くつろぎの炎の揺れを感じられるリビング

暖炉が欲しかった夫のために、代わりに炎の揺らぎが見える壁掛け式ガスストーブを設置しました。ストーブの背面には、大谷石を貼りました。部屋全体をベージュ、ブラウンでまとめながら、ダークグレーや優しい風合いの天然石をポイントに使って空間にアクセントを付けたことで、奥行きを感じられるリビングになりました。

ひときわ印象的な壁掛け式ガスストーブ。
「炎の揺らぎを見ながらくつろぐ」という憧れを手にしました。

②   こだわって選んだ輸入壁紙

奥様の趣味のカルトナージュ(厚紙で組み立てた箱に紙や布を貼るフランスの伝統手芸)で輸入壁紙の魅力を知り、随所に取り入れました。

調湿・脱臭効果のあるタイルと輸入壁紙を組み合わせたトイレの壁は面積が少ない分、大胆なデザインを思い切って取り入れました。鈴木さんの一番お気に入りの場所になりました。

③   理想を形にした個室

娘さんの部屋は、本人の「本に囲まれた部屋にしたい」という希望で、造り付けの本棚を二か所に設置しました。

一か所だけアクセントに貼られた壁紙も、娘さんのセレクトです。

照明によるくつろぎ空間の演出

照明計画も見直しました。
シーリングライトは使わず、間接照明を取り入れました。壁や天井を直接照らし、その反射光が床面等を明るくすることで落ち着いた雰囲気になり、空間に奥行きが生まれ部屋を広く見せる効果もあります。
また、ペンダントライトを食卓に近い位置まで吊るしたことで、優しく温かい光が放たれ、鈴木さんが思い描いていた「家族が集まりたくなるリビング」になりました。

折り上げ天井を利用した間接照明。

希望通りの住まいにしてくれた皆さんに感謝!

工事完成後、快適になった住まいで生活をスタートさせた鈴木さんは、リフォームに関わった施工会社やデザイナー、職人の皆さんに、改めて感謝を伝えたいと思いました。そこで、皆さんをお招きし、お礼の食事会を開きました。
通常工事は工種ごとに職人さんが異なり、職人さんは持ち場が終わると他の現場へ移ります。
大工さんからは、「完成後に呼ばれたのは初めて。出来上がりを見られてとてもうれしい」と喜んでもらえました。
会では、不具合の起きた理由、工夫を凝らした箇所、工事の苦労話など、それぞれの職人さんでなければわからない貴重な話を聞くことができました。水漏れ、カビの問題で悩み余儀なくされたリフォームでしたが、しつらえのひとつひとつに、技術と想いが込められていることを知る、良い機会となりました。
「新築同様で、まるで別の家のようです。住んでいたからこそわかる家事動線も、希望通り手に入れることができました。リフォームして住むのは、とても理にかなっていますね」と鈴木さんも大満足。
リフォームは、家族に清々しい日々をもたらしてくれたようです。

職人さん同士の交流も生まれ、大いに盛り上がりました。
設計・デザインを担当した、リノベーションデザイン オフィス アンベリールの森山ひろ乃さん(掲載当時)、
施工を担当した株式会社ライフスタイルクリエイト(http://www.lifestylecreate.com/)の向後さん(掲載当時)、
キッチンメーカー担当者、職人のみなさんとの食事会。

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