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【マンションアンケートレポート】これを見れば、マンションのご近所付き合いの理想と現実がわかる!住民のリアルな声をまとめました!

今回は、『マンションのコミュニティ形成に関するアンケート』の調査結果についてレポートします。分譲と賃貸で、コミュニティ形成の現状や、理想の違いが見えてくる結果となりました。ぜひご覧ください。


【アンケート概要】

  • 調査期間:2024年12月19日(木)~ 2024年12月22日(日)

  • 調査方法:インターネット調査(日本国内に住む 20歳~79歳のインターネットパネル登録モニターを対象に実施)

  • 回答者数:9,687 名(分譲4,289 名、賃貸5,398名)

■ 回答者の居住タイプ比率/回答者の年齢比率(回答者属性に関する参考情報です)

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注:構成比は小数点以下第 2 位を四捨五入しているため、合計が 100%にならない場合があります(以下同様)

【結果と考察】

分譲と賃貸で大きく差がでた、ご近所付き合いのリアル

Q:現在お住まいのマンション・アパート(集合住宅)内で、ご近所付き合い※をしていますか?
※お互い顔見知りで、会えば挨拶をし合う間柄(またはそれ以上)の人がいる場合とします。

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「現在お住まいのマンション・アパートでご近所付き合いをしていますか?」という問いに「はい」と答えた人の割合は、分譲では、59.3%に対し、賃貸では28.3%という結果になりました。

分譲では、物件の規模によって異なるものの、共用施設が充実しているほか、自治会による夏祭りやクリスマスなど季節に応じたイベントも行われていること、また、防災上の理由から、挨拶を積極的に推進するマンションも多く、交流する機会が多いことがうかがえます。

一方、賃貸では、小規模の物件も多く、単身の方も多いことや、イベントを行うスペースが少ないこと、分譲と比較して住民の入れ替わりが多いことが、ご近所付き合いの少ない理由かと思われます。

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また、年代別に見ると、年代が高くなるにつれ、ご近所付き合いを行っている割合が多いこともわかりました。これは、子育てが終わった、仕事をリタイアしたなど、時間的な余裕が生まれ、ご近所との交流にも目を向ける方が多いからかもしれません。

はっきり見えた、ご近所付き合いの「理想と現実」

Q:現在お住まいのマンション・アパート(集合住宅)内で、どの程度までのご近所付き合いがありますか?【現状】

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Q:現在お住まいのマンション・アパート(集合住宅)内で、どの程度までのご近所付き合いが理想的だと思いますか?【理想】

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「現在お住まいのマンション・アパート(集合住宅)内で、どの程度までのご近所付き合いがありますか?【現状】」の問いでは、賃貸に比べて分譲のほうが、立ち話やお裾分けなど、比較的深い交流が行われているようです。

一方、「現在お住まいのマンション・アパート(集合住宅)内で、どの程度までのご近所付き合いが理想的だと思いますか?【理想】」の問いでは、分譲は賃貸に比べ、現状と理想を比べても、ほぼ同じ割合のため、満足のいく付き合いができているように思えますが、賃貸では、ご近所付き合いを不要とする声が30%以上にのぼる結果に。さまざまな要因が考えられますが、分譲に比べて、入退去の頻度が早く、親しい関係になる時間も必要性もない、ということかもしれません。

マンションのコミュニティ形成を行っている組織について

Q:現在お住まいのマンション・アパート(集合住宅)では、コミュニティ形成のための活動がありますか?【複数選択可】

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「現在お住まいのマンション・アパート(集合住宅)では、コミュニティ形成のための活動がありますか?」の問いで、分譲では、管理組合、管理会社、自治会などの組織が中心となり活動を行っていますが、同様の組織の少ない賃貸では、活動があまり行われていない結果となりました。

コミュニティ形成のための具体的な活動内容とは

Q:現在お住まいのマンション・アパート(集合住宅)内で、現在行なわれているコミュニティ形成のための活動について、当てはまるものをお選びください。【複数選択可】

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「現在お住まいのマンション・アパート(集合住宅)内で、現在行なわれているコミュニティ形成のための活動」についての問いで、分譲の上位トップ3は「防災活動」「季節イベント」「環境美化活動」、賃貸の上位トップ3では「環境美化活動」「防災活動」「防犯活動」という結果となりました。

「防災活動」は、災害時の住民の安全性確保の観点から、分譲・賃貸どちらも取り組んでいるようです。

「あったらいいな」と思うコミュニティ活動は「安心」が人気

Q: 現在お住まいのマンション・アパート(集合住宅)内で、賛同できる(あったらいいなと思う)コミュニティ形成のための活動について、当てはまるものをお選びください。【複数選択可】

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「現在お住まいのマンション・アパート(集合住宅)内で、賛同できる(あったらいいなと思う)コミュニティ形成のための活動」の問いでは、分譲・賃貸ともに、特になしという回答が多い結果となりました。

賛同できるとの回答に目を向けると、現在の活動内容と同様、「防災活動」「防犯活動」「環境美化活動」の取り組みを希望しており、実際に、理想的な活動が行われていると言えます。一方、分譲では、「防災活動」に続き「防犯活動」の取り組みを希望している方が多い結果となりました。分譲によっては、24時間管理や幾重ものオートロックなど、セキュリティの高い物件もある一方、築古・大規模な分譲では、さまざまな人が出入りできる環境のため、より高い防犯力を求め、活動を希望する方が多いのかもしれません。

分譲と賃貸で大きな差が。コミュニティ形成の必要性

Q: 現在お住まいのマンション・アパート(集合住宅)内で、ご近所付き合いやコミュニティ形成は必要だと思いますか?

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「現在お住まいのマンション・アパート(集合住宅)内で、ご近所付き合いやコミュニティ形成は必要だと思いますか?」の問いに「はい」と回答した割合が、分譲では60.7%に対し、賃貸では29.5%と約半分になりました。

先に紹介した、「現在お住まいのマンション・アパート(集合住宅)内で、どの程度までのご近所付き合いが理想的だと思いますか?【理想】」という問いの結果、賃貸では挨拶する程度の交流を希望される方が多いことがわかっています。交流イベントなどを行う機会が少ないことが想定されますし、単身者が多い場合は、さらに交流を求めない方が多い、という理由も想定されます。

相反する、コミュニティの必要性について考える

Q:現在お住まいのマンション・アパート(集合住宅)内で、ご近所付き合いやコミュニティ形成が必要だと思う理由について、あてはまるものをお選びください。【複数選択可】

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Q:現在お住まいのマンション・アパート(集合住宅)内で、ご近所付き合いやコミュニティ形成が不要だと思う理由について、あてはまるものをお選びください。【複数選択可】

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「ご近所付き合いやコミュニティ形成は必要」と回答した人に対し、その理由を聞いたところ、分譲、賃貸ともに、「防災力・防犯力が向上するから」「助け合いができるから」「トラブルが起こりにくくなるから」が上位となりました。集合住宅での暮らしにとって本当に必要なメリットを享受するために、コミュニティ形成が必要だと考えている方が多いことがうかがえます。

一方、「ご近所付き合いやコミュニティ形成は不要」と回答した人に対し、その理由を聞いたところ、分譲・賃貸ともに、「気が合わない人と交流したくないから」「プライベートを詮索されるから」「トラブルに巻き込まれそう」という回答が上位に上がっています。集合住宅という属性上、どうしても他の住民と距離感が近くなるため、挨拶にとどめるなどの、適度な距離感を持っておきたい、という心理がうかがえます。

また、分譲に限っては、「行事への参加を促されるから」という回答も多い結果に。分譲では防災訓練以外にも、季節のイベントなども多く催されるため、参加を希望しない方にとってはストレスになるのかもしれません。やはり、適度な距離感を保つこと、無理強いはしないこと、といった、集団生活としての配慮が必要だと言えるでしょう。

ご近所付き合いやコミュニティ形成に関するエピソード

住民の方よりいただいた、ご近所付き合いやコミュニティ形成に関するエピソードをいくつか抜粋してご紹介します。

【 ご近所付き合いエピソード】

  • 一度、家の鍵をつけっぱなしにしたときに、隣のお子さんが教えてくれたことがあった。その他にもそのお子さんがバイク置く場所で悩んでいたときに話した後にお菓子を持ってきてくれたことがあった。とても感じのいい子です。

  • 友達ができて時々お茶をしたり、ランチに行ったりしている。

  • 少しのトラブルも気持ちよく話せるので、大事にならない。

  • 夫が亡くなって一人暮らしになったが、親しくしていた方たちが色々助けてくださってありがたいです。何かあったらいつでも声かけてねと言ってくださって、心強い。ただ本当に頼るつもりはないです。

  • 猫を飼っているので、迷惑をかけているかもしれないからなるべく挨拶だけですませている

【コミュニティ形成に関する意見】

  • マンション内フリーマーケットで子供服やおもちゃなど不要になったものを譲れる機会があればいいと思う。

  • 全体で何かしましょうとかではなく、個人的に親しく出来る方と親しくすれば良いのかと思う。

  • 戸数が少ない集合住宅なので、この住宅のみでは特に行いたくないです。もう少し広い範囲で公民館などでの習いごとなどであれば自分の興味のあることなら行ってみたいです。

  • まずは挨拶をしたほうがいい。

  • マンション内でみんなが挨拶でも交わせれば防犯にもなるし、子供がいると大人の目がたくさんあるから安心できると思う。

最後に

いかがでしたか?今回は、分譲と賃貸それぞれのご近所付き合い事情について調査しました。

分譲に比べ、賃貸はコミュニティ形成が不足している傾向にあるものの、そこには支援する組織や団体が分譲に比べて少ない現状があります。防災や防犯面、トラブル防止などの観点から、賃貸でもコミュニティ形成ができるよう、賃貸管理会社やオーナーがサポートできる仕組みができるといいですね。

一方で、分譲も賃貸も、プライベートを詮索されたくない、トラブルに巻き込まれたくない、というネガティブな関係性を危惧しています。そのため、まずは「挨拶を交わす関係」程度の距離感を保ち、必要であれば、徐々にコミュニケーションを深めるといった、相手への配慮も欠かさないことが、集合住宅における良好なコミュニティ形成のポイントと言えるのではないでしょうか。


つなぐネットコミュニケーションズでは、居住者間のコミュニケーションや助け合いのしやすい環境、子育てのしやすい環境等を構築し、住み心地の良さの向上を目指すため、ご近所付き合いをサポートするアプリ「GOKINJO(ゴキンジョ)」のご案内も行っています。お気軽にお問合せください。

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