狭くても超快適!昭和レトロを感じる素敵なマンションに、4人が気持ちよく暮らす
“街の木ものづくりネットワーク”の事務局に勤める横山恵さん(以下:恵さん)。都市部で伐採された木の活用や木に関わるワークショップを開催し、“街にある木に愛着を持ってもらう活動”をしています。そんな恵さんは、自身が生まれ育った築50数年、50平米のマンションに今も住み続け、現在は家族4人で暮らしています。愛着のある部屋ではありますが、50平米は、ちょっとコンパクト。
「いったいどのように暮らせば、狭い空間でも快適に過ごせるのか?」
その理由を探りに、横山家を訪ねてみました!
※本記事は、2017年にマンション・ラボに掲載したものを、一部編集して再掲載するものです。
【取材協力】
横山恵さん
家族構成:恵さん夫婦2人 娘2人(中学3年生・小学2年生)
マンション情報:東京都内 最寄駅から徒歩15分 築年数:52年 5階建ての4階
広さ約50平米 間取り2LDK(当初は3DK)
10帖のリビングと4帖の和室、その活用方法は?
恵さん家族が暮らしているのは、都内にある昭和40年代に建てられたマンション。レトロなインテリアに囲まれた部屋は、まるでおばあちゃんの家にタイムスリップしたような雰囲気です。かつては3DKでしたが、この間取りでは生活動線が悪いと感じ、ダイニングに隣接する洋室の扉を取り外し、2LDKにして暮らしています。
10帖ほどになったリビングダイニングは、食卓以外にも、恵さんの仕事部屋、趣味の場所、寝室などに使用。生活に必要なほとんどのものがそろい、恵さんの生活動線を短くし、何をするにも便利だとか。
また、ほかの2つの部屋は、1つは受験生の長女の勉強部屋+納戸、もう1つは恵さんと娘2人の寝室+次女の遊び場+家族のクローゼットとして使用。年の離れた姉妹のプライベートも確保でき、完全な個室でなくても、長女、次女とも不満はありません。
「私はここで、6人家族で育ったので、狭さに慣れているのかもしれません。広い家にあこがれはありますが、きっと引っ越しても家族でくっついて生活をしているのかも…」と恵さん。
横山家にとって部屋の広さは、“家族が居心地よく”暮らせていれば、それほど大きな問題ではないようです。しかし、子どもが大きくなれば、必要なモノも増えていきます。恵さんも今の生活で、唯一の悩みの種が、8歳差の娘たちのお古の収納場所だとか。
それでも「広い家に引っ越しをするほどの不満もない」と言い切れる暮らしには、いくつかのポイントがありました。
コンパクトな部屋を“居心地のいい空間”にする、5つのポイント!
① 大型の家具は置かない!
圧迫感のある大型の洋服ダンスや食器棚、ソファーなどは置かず、目線が低くなるよう、オールフラットな状態にしておきます。衣食住に必要なモノが、最低限あれば充分生活できます。
② 衝動買い厳禁!欲しいものはじっくり吟味
モノを買うときは、納得がいくまで考えます。壊れても、直して使えるところまでとことん使います。また、買うときの基準は“かわいい”こと。家族共通で使う“レトロなモノ”以外は、なるべく買いません。一貫したイメージがあるので、モノがあってもインテリアとして部屋に統一感が生まれます。
③ ときにはDIYでひと工夫!
ある程度汚れてきたなと感じたら、自分たちで壁紙や玄関シートを変えたりしています。また、収納がなかったら棚を作ったり、そのときのインテリアの趣味に合わせ、住みやすくなるよう工夫しています。
④ 定期的に断捨離を心がける!
何年も着なかった服や趣味ではなくなったモノは、思い切って捨てます。欲しいモノがあれば、まずは空き場所を作り、今ある量を増やさないように意識して生活します。
⑤ 片付けの習慣をつける!
リビングは家族が集まり、兼用になることが多いので、食べたら片付け、勉強したら片付けと“片付け”の習慣をつけています。子どものしつけにもなり、部屋も片付くので一石二鳥です。
コンパクトな暮らしがもたらしたものとは?
「子どもたちが、“ずっとここに住みたい”と言うほどこの家を気に入っています」と、嬉しそうに話す恵さん。無駄をなくし、モノを大切にする心や、片づけをきちんとする習慣など、狭い空間での暮らしは、家族にとってもたくさんメリットがあります。
――狭い空間をデメリットと思わずに、狭さが気にならないほど“お気に入りのモノに囲まれて暮らす”こと。
それが、“ずっと住みたい”と思える気持ちにつながっているようです。
近々、部屋の雰囲気を生かし、少人数でワークショップの開催を考えている恵さん。狭いマンションに住んだからこそ思いついた部屋の使い方は、横山家の新しい暮らし方となり、今後ますます部屋への愛着が増していきそうです。