マンション住民約2,000人が答えた!災害用備蓄品に関する実態・意識調査レポート!
みなさん、こんにちは。マンション・ラボ編集部です。 今回は、「マンション・ラボ」のアンケート会員 2,085 名を対象に、「備蓄消耗品」に関する調査を行いま したので、その結果をレポートします。
自宅での被災生活を送るために必要な「備蓄消耗品」の準備の実態
まずは自宅での備えについて聞いてみました。 飲料水、乾電池、缶詰などの副食類については半数以上の方が準備しているようです。 また、災害用トイレや調理用熱源も 45%以上の方が備えていることから、水が出ずにトイレが利用できな い、ガスや電気も使えない、という状況への懸念がうかがえます。 ここで、ラボ編集部が気になったのが、「衛生用品」の備えが少ないこと。 水が出ない場合は、歯磨きも身体を洗う・拭くことすらできなくなります。 衛生面での問題もありますが、気分的に口内がすっきりしない、身体もべたべただと、気分も悪く疲れて しまいますよね。ですから、水のいらない歯磨きや、体拭きシートなどを用意しておくことも、すごく重 要だと思います。ぜひ準備してほしいですね。
続いて、備蓄消耗品について、「何日分備えているか」と「課題・お悩み」について聞いてみました。 まず備えですが、全体的に 1~3 日分程度備えている方が多いようです。首相官邸の Web サイト※で「防災の手引き」として紹介されている情報でも「大規模災害時には 1 週間分の備蓄が望ましい」とはされて いるものの、課題や悩みをみると、「消費期限の管理」「スペース」「適正量」「費用」の面で揃えることが困難だといえるでしょう。
実際に、アンケートではこのような声も寄せられています。
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・ローリングストックを検討したことがあるが、一番の問題は保管場所だった。予算面では多少は必要経費だと思うが。部屋を選ぶ際に、1部屋多く間取りを検討しないと難しいと思った。
・収納スペースが圧倒的に不足している。
・備蓄品は良いのだが、食べたり使ったりしたものが捨てられず、家に溜まることに懸念がある。ゴミが少なくなる備蓄品があると良い。
・今住んでいるマンションには共用部の空きスペースがあるので災害備蓄品の保管スペースで利用することもいち案として理事会で検討してほしい。
・災害状況にもよるので本当に備蓄すべきものが選定できない。災害経験のある人からのケーススタディ(本当に有用だった備蓄品や代用できたものなどの経験談)を沢山知りたい。
・実際、災害に遭遇したことがないので本当に必要なものが何で、どのくらい準備するのか分からない。最低限のどのぐらいなのか考え方が知りたいです。
・災害備蓄品は種類も様々ですし、東京では飲料水・食料品も1週間程度は必要と言われるが、収納スペースの問題や内容の問題もあり、中々進まない。又、ローリングストックにしろ、と言われるが、これも容易にできるものではないので、悩みは深い。
・災害備蓄品も年々進化しているようなので、最新のものを知りたい。また、マンションとして水や食料を備蓄しているが、万一大災害が起こった場合、誰がどのように配布するのかなどが決められていない。実際、理事会役員である私も倉庫の鍵の場所を知らない。管理会社や警備会社頼りではなく、災害に関しては自衛力を高めないといけなと思う。
・家庭での備蓄はローリングストックにしていても限界がある。ここは在宅避難推奨なので、もっと増やしたいがスペースに限界がある。とはいえ、他所に保管してもらったとしても、万が一の時はライフラインがとまり、手元に届くとは思えないため、難しい問題。
・行政から当初は3~7日の備蓄となってましたが最近10日分は備蓄してほしいとなってきており負担が大きくなり困ってます。
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もしも個人で 1 週間分の備蓄品を備えるのであれば、バルコニーといった共用部を活用する(管理組合の 承認が必要)、あるいは管理組合でもある程度備蓄消耗品を備えておく、などの対応も検討できるとよさそ うですね。また、備蓄品を提供する事業者側でも、本当に必要なものや適正量について、もっと明確な情 報提供があってもよいかもしれませんね。
※首相官邸Webサイト「災害に対するご家庭での備え」
管理組合や管理会社での備えの状況
次に、管理組合や管理会社が備蓄しているものについて聞きました。 結果、「災害用トイレ」「飲料水」「発電機(燃料)」といったものが多く備えられているようですね。 ただ、編集部が気になったのは、実に 4 割の方が「わからない」と回答していること。もしわかっていれ ば、個人で備えるべきものや、数量などの参考にもなりますし、コストも押さえられますよね。 こうした管理組合や管理会社の備蓄品情報を知っておくことも、「備え」といえると思います。
一方、住民から頼りにされている管理組合でも、備蓄品に対する課題や悩みはあるようです。
課題としては「保管スペース」「適正量」「期限管理」が 3 割を超えています。 個人と同じ悩みや課題が管理組合にもある、ということは、備蓄品に関する知識やハウツー、またアイデ アなどが、管理組合側にも不足している、ということかもしれません。
マンション全体での備えについては、アンケ―トでこのような意見が寄せられました。
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・期限も長いのが多いので、すぐに変わる理事会では備蓄するのはそもそも無理があるのかと思う。
管理会社に、そのあたりも含めた契約をするのがいいと思う。
・マンション共用として備品とすべきリストがあるのかどうか不明。当マンションでは自治会が主体となり備品備蓄しているが、住人は何が備蓄されているか知らないかたがほとんどだと思う。防災役員を経験して初めて把握する状況だ。外部管理にまかせるのも一案だと思う。
・管理組合員の間において防災意識の高低や防災備蓄品等に対する認識の差があるうえに加え、年度ごとに理事の交代があり防災に対する各理事の考え方を調整する時間もない。当然のこととして予算計上していなたため、組合として継続して対策を講ずることが難しい(中長期計画としての対応が難しい)。
・マンションの広域連携(例:県の東部と南部地区など災害時に被害が重ならいないようなエリア想定)としてお互いに災害時に備品を利用しあえるような組織作りができれば、有効だと考える。
・自治体の防災用品、マンションとしての防災用品、各家庭での準備用品と分類し、過不足なく、無駄なく準備できれば一番良いのですが、その様な情報がないので情報提供をお願いしたい。
・各家庭で必要とする防災備蓄は家庭ごとに3日以上の管理をお願いしている。マンションとして保管している備蓄品の管理が管理人任せになっているので多少の心配がある。特に、非常食(飲料水、保存食)は10人程度の帰宅困難家庭分としてのみ確保。期限キレ等が発生しないか多少の心配はある。また、非常用電源としての発電機燃料の保管期間が心配である。年一回の防災訓練で確認するよう依頼しているが。
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備蓄品に特化したセミナーや他マンションの事例紹介といった具体的な情報の共有、また課題解決に向けた新たなサービスや取り組みも、今後ますます重要になるように思います。
みなさん、いかがでしたか? 備蓄消耗品の理想と現実がはっきり見えたのではないでしょうか。 特にマンションは収納スペースの少ないところも多いので、大量の備蓄消耗品を保管するのはしんどいで すよね。ただ、適正量や期限管理をしっかり行うことで、スペースの問題も解決できるかもしれませんね。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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